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終戦記念日 [雑記]

「15歳の志願兵」

8月15日の終戦記念日、NHKスペシャル終戦記念特集ドラマ「15歳の志願兵」を観ました。

このドラマのキャッチコピー『友だちがいた。夢があった。でも、戦争があった。』
しかし、この言葉よりも重いフレーズが私の心に響き、しばらく涙が止まりませんでした。
  
  「この国に学問がなかった」


日清、日露戦争から第二次世界大戦まで、日本はずっと他国と戦争をしてきました。
植民地支配もしてきました。
事の善悪を判断するわが国の政治家や軍人が戦争に向かって突っ走り、平和を愛する一般市民を巻き込んで、殺戮行為を繰り返してきた史実は消えません。

母方の祖父は職業軍人でした。
私が生まれる前に病気で亡くなったため、会ったことがありません。

小学生時代、毎年夏休みのお盆のころ、私は祖母の家で過ごしました。
テレビから決まって広島、長崎の原爆の日の追悼式、終戦記念日の特集が流れていました。

祖母に戦争のことを聞いても、「あの時代のことは忘れた。この国がやったことは後悔しても変わらない。だから学問に励みなさい」と言うだけで、決して当時のことを話してくれませんでした。

ただひたすら仏壇に向かって手を合わせ、お線香を焚き、お経をあげていた祖母の姿が今でも忘れられません。

時代劇は人切りシーンがある、サスペンスドラマは人殺しがある、軍人を英雄扱いする戦争映画はいけないと言って、決して見なかった祖母。
女学校を出て軍人の妻として生きた半生、祖父を亡くしてから戦争で亡くなった方を供養する半生。
一緒に暮らしていたわけではありませんが、私に日常生活の細かな躾をし、学びの大切さを教え、料理や裁縫、手芸の手ほどきをしてくれた祖母。
とても達筆で、折に触れて手紙やはがきをくれました。

「物やお金は無くなったり盗られたりするけれど、学問はそうならない。必ず自分のため、それが将来につながるのよ」と教えてくれた祖母の言葉が、このドラマの中の言葉でとても納得できました。

毎年終戦記念日を迎えると、今は亡き祖母を思い出し、世界の平和を願わずにはいられません。


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コメント 8

sayudom

平和って難しいのでしょうか。
そろそろ世界的に気付いても良さそうなのに…と常々思います。
戦う事をヨシとする人がいる限りなくならないのかしら。

子供向け番組も、我が家は基本的に戦隊シリーズは見ていません。
戦いごっこになるからです。
ごっこから始まる喧嘩は意味のない事だと私は思っています。
 …って言っても何処かで覚えてくるんですけどね(-_-;)

平和でありたいものです。
by sayudom (2010-08-17 10:27) 

miopapa

私の父も、赤紙一枚で戦争にかり出された一人で
満州方面にいたらしいことと、
押し入れの奧に閉まってあった写真を
ソォーッと見た覚え以外は・・・・・
もちろん父は一言も話さず3年前に他界し、
それ故に、戦争の怖さ、平和の必要性を
自分ながらに感じると同時に
私の周りには、まだまだ多くの、いわゆる戦没者の遺族が多く
祖父母時代のことなのに、いまでも終戦記念日には、
地域ごとにある慰霊碑の前で追悼式が行われ
毎年、当番制のような形を取りながら、自分の番が来ると
喜んで東京/靖国神社へお参りと奉仕に・・・
靖国神社問題は別として、
かけがえのない人を亡くした家族にとっては
いつまでも戦争の終わりはないのかも・・・

わたしも、この日と、広島・長崎の被爆の日には
TVに合わせ、心の中で黙祷を忘れないようにしています。

by miopapa (2010-08-17 10:35) 

梅子

「自分が覚えた学問は、無くなったり取られたりしない。」
たくさんの悲しみや苦労を経験されたからこその、とても深い言葉に感じます。
お盆になると、戦争のドラマや番組が必ずありますね。あまりに辛く、
見ているのが本当は嫌なのですが、嫌でも見なくてはいけないと、
まるで義務感のようにいつも見て泣いてます。
そして、戦争をしてはいけない。こんな恐ろしいものは絶対あってはいけないと、毎年、自分の心に刻み込むのです。
戦争を知らない世代の私達には、これがとても大切なことだと思っています。
by 梅子 (2010-08-17 19:30) 

☆marilyn

私もテレビつけていたのですけれど、あまりのめりこむと辛いので
あえて、他のことをしながら、ちら…と見るようにしていました。
もう、戦争の悲惨さ、充分にしっているつもりですけれど、知らない事実が
まだたくさんあって・・・これを若い人にもっと見てもらいたいですね。
by ☆marilyn (2010-08-17 23:32) 

SUMAKO

sayudomさま
最近、ゲームなどのバーチャル世界でも戦いがたくさんありますよね。TVアニメや映画、ドラマだけではないので、子育ては大変だと思います。
戦争にない平和な時代、これからの人間社会にやって来るのでしょうか。
一人ひとりはそう願っているはずなのに実現できない、悲しいことです。
by SUMAKO (2010-08-19 00:27) 

SUMAKO

miopapaさま
小学校、中学校の宿題で、「戦争のことを身の回りの人に聞いてみよう」というものがありました。2人の祖母、両親に尋ねてみましたが、誰も話してくれませんでした。昭和一桁生まれの両親の記憶にも戦争はあると思います。それでもダメでした。
戦争を知らない私たち世代が、次の世代にこの悲劇を伝えていくことの難しさを感じます。
第二次世界大戦の記憶が遠くになって、歴史上の出来事になってしまう日が近いような気がします。
その時に、平和な世界が実現することを祈るしかありません。
by SUMAKO (2010-08-19 00:32) 

SUMAKO

梅子さま
戦後生まれの、戦争を知らない私たち世代が次世代にできること、それは平和を訴え続けることなんですよね。
終戦記念日は反戦記念日と考え、皆が平和を心から願う、実現させるよう心に刻む日にならないといけませんよね。
悲惨な戦争という体験をしたご先祖様がいるから、私たちが今こうして平和に暮らすことができるということを、もっと考える必要があるように思います。
by SUMAKO (2010-08-19 00:35) 

SUMAKO

☆marilynさま
私も最初は他のことをやりながら「ながら観」だったんです。
でも、だんだん内容にひき込まれて、いつの間にかドラマの中に入っていました。
戦後生まれの私たちは、体験していないことばかり、知らないことばかり。
きっと、もっとたくさん悲惨なことがあったのだと思います。
おっしゃる通り、たくさんのお若い方に見て欲しい番組だと思います。
by SUMAKO (2010-08-19 00:37) 

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