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映画「さまよう刃」 [雑記]

少年法で守られるものとは

昨年夏、東野圭吾著「さまよう刃」を読みました。150万部も売り上げたベストセラーです。

少年法の問題点を取り上げ話題になったその社会派小説が、映画化されたということで、行ってきました。

映画館の中は娯楽性の低い内容のためか、席が1/10も埋まっていない状態。
並ぶことも覚悟していたので、ちょっぴり拍子抜け。

      DSC08482.jpg

ストーリーは、娘を殺された父親の復習の行方を描いたもの。

少年たちは少女に薬物を注射し、犯し、もてあそんで捨てる残虐な行為を繰り返す救いようのない人間。
しかし、彼らは少年法に守られ、現実には刑罰とはいえない判決が下されるのが現実。

復讐が空しい行為と知りつつも、犯人を追い詰め、殺人を犯してしまう父親。

犯罪の被害者と加害者、刑事などさまざまな立場の視点と心の機微が描かれた作品です。

映画は2時間という時間制限があり、原作に描かれているシーンの多くが省かれてしまっておりました。

映画の中では、父親が時間とともに薄れてしまう復讐心を保つために、何度も残虐な犯行のビデオを 見返して娘を死に追いやった犯人達への怒りを増幅させる描写がありませんでした。

俳優さんたちの演技力が、心の内を表現し、原作よりもリアルに感じさせている部分もありました。
しかし、仕上がりとしてとても淡白な作品になっていたようにも感じます。

R指定をかけず表現し、硬派の作品に仕上げ、一人でも多くの人に見てもらうための努力と考えれば仕方がないのかも知れません。

この映画を見て興味を持った方には、是非、原作に目を通していただきたいと思います。

先週、ニュースや新聞紙面をにぎわしていた、山口・光市母子殺害事件の犯人を描いた本「福田君を殺して何になる」にも通じる何かが、この作品にはあるような気がします。

少年法のあり方、そして死刑制度の廃止等、日本の司法がこれからどのようになっていくのか、社会の出来事をしっかり見つめていきたいと思います。



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コメント 17

ララアント

今記事もSUMAKOさんの問題提起がありましたね!
もう少し頭がクリアな時に再訪します。。。
ごめんなさい!!
by ララアント (2009-10-12 23:22) 

marilyn

次男がやっぱりこれを読んでましたね。
それで、夫に寺尾聡さんだし、行ってみる~?って行ってみたら
こういう内容のはちょっと悲惨すぎて・・・ってパスになりました。
娘を持つ親としては、絶対に許せないことですからね。
やはり、こういう立場に近い人の心理を考えて、あまり残虐な
場面とかは、控えたんでしょう。
でも、寺尾聡さんは、好きな俳優です。
前、奥さんに、殺してって頼まれて(原田三枝子さんでした)殺人を
犯す人の役をやったのが印象に残ってますけれど、すごく、上手かった・・
あれは、その愛情の深さに、最後本当に泣けました。
by marilyn (2009-10-12 23:43) 

marilyn

夫に行ってみたらではなく、言ってみたらです。<(_ _)>
by marilyn (2009-10-12 23:44) 

計

なかなか深刻な問題ですね。結果はどうなっていあますか。あの父親は復讐を果たしたのか。いくらなんでも人殺しは人殺し、たとえ相手は悪人でも命を持つ人だ。彼らを殺したら、彼らの親も復讐するだろう。これじゃ終わらないよ。

SUMAKOさんは映画「東京タワー」を見たことはございませんか。私は国慶節の間に見ました。すごく感動しましたよ。特別インパクトなシーンはないが、日常生活の中から家族の強い係りを見せられました。


by 計 (2009-10-13 01:00) 

miopapa

もう、ご覧になられたんですね!?
私も、今観たいなぁーーって思っている映画が3本有るんですが
その中の一つに入っているのに
なかなか行かれなくて ・ ・ ・
    SUMAKOさんの書き込みを拝見し
       余計に観に行きたくなりました・・・・・
by miopapa (2009-10-13 14:32) 

SUMAKO

ララアントさま
今回の内容は、少々暗くなってしまいました。すみません。
また、遊びにいらして下さい。
by SUMAKO (2009-10-13 22:58) 

SUMAKO

marilynさま
今回の映画そして「半落ち」と、寺尾聡さんの演技は人間の心の深い部分を上手に表現していらっしゃると思います。
原作以上に、娘を奪われた父親の悲しみを深く表現できているのではないでしょうか。涙が出るというよりも、最後の場面が、心に突き刺さりました。
最近の邦画は、秀作が多いですね。
by SUMAKO (2009-10-13 23:04) 

SUMAKO

計さん
肉親が殺されても、現代社会には、あだ討ちはありません。復讐も許されません。法の裁きに従うしかないのが現実です。
しかし、その法が、被害者の心を100%納得させられるものでもないと思います。
いつか、原作を読んでみて下さい。

「東京タワー」、見ていません。
テレビでこの映画の宣伝を見た限りでは、あまりそそられなくって。

by SUMAKO (2009-10-13 23:14) 

SUMAKO

miopapaさま
お嬢さんがいらっしゃる父親としての立場でご覧になられたら、また私とは違う感想になるのかも知れませんね。

渡辺謙さん主演、山崎豊子原作の「沈まぬ太陽」が10月下旬より公開予定です。この作品も気になります。
by SUMAKO (2009-10-13 23:16) 

sayudom

少年法は『守るべきもの』を履き違えた事柄が多くなってきている気がします。
一概に年齢だけで決めてはいけないと、個人的に思うのですが…。

私達が幼かった頃には考えれない事が、今の子供には当たり前だったり。

これをきっかけにしてでも、良い方向に流れてほしいものです。
by sayudom (2009-10-14 00:22) 

向日葵

これも気になっている映画ですが、
最近は、まず、滅多に映画館には行けていません。

「沈まぬ太陽」も、確かに気になりますね。

「おくりびと」も「行きたい」「行きたい」と思いながら、
結局TV放映で見るしかありませんでした。

でも-。
お陰で「母と」見られたので、まあ「良し」とします。
by 向日葵 (2009-10-14 02:08) 

SUMAKO

sayudomさま
犯罪が低年齢化しているのが現実。
加害者のその後の人生を考えると、難しい問題だと思います。
しかし、人の命を奪うという行為は許されることではありません。
これからの司法がどのようになっていくのか、また教育も含めて、大人たちがきちんと考えていかなければいけないことですね。
by SUMAKO (2009-10-14 22:12) 

SUMAKO

向日葵さま
映画館も、時間をつくって出かけるのはなかなか大変。
最近では、自宅のテレビの画面も大型のものが普及し、映画館に近い状態で楽しめるようになりました。
好きなときに、落ち着いて、リラックスした環境で楽しむのも良い方法だと思います^^。
by SUMAKO (2009-10-14 22:15) 

計

気持ちは分かりますが、私はただ復讐は新たの復讐を呼び出すので、悪循環と思います。仇を殺しても、亡くなった者は再び蘇らない。
by 計 (2009-10-15 01:07) 

SUMAKO

計さん
ここでのやり取りは、この映画を間に挟んでのこと。
復讐の良し悪しを語るところではないと思います。
また、原作や映画が読者や観客に訴えているものも、立場によってとらえ方はいろいろあると思います。
まずは機会があったら、原作を読むかこの映画を観てください。
そして、日本の少年法のあり方をすこし理解して欲しいと思います。
私は決して、復讐を肯定しているのではありません。
映画や小説だからこそ描けるものがあるのではないでしょうか。
by SUMAKO (2009-10-15 22:37) 

計

すみません、私はちょうっと神経質です。申し訳ございません。
by 計 (2009-10-16 23:41) 

えだまめインコ

なんだかすごく重いテーマですが
逆の立場なら誰でも共感する場面はあるかと・・
自分なら、相手を殺すのではなく
相手が成長して、子供ができた時に
その子供を誘拐(軟禁)して
いかに子供を大事にしていたのかを悟らせますね。
でも、子供には罪がないから・・でも親は殺人犯ですからね。
それはわかってもらいたいです。
なんだか怖いコメントになっちゃいました。

by えだまめインコ (2009-10-18 18:35) 

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