著者は大学教授「猫に紅茶を」

生活に刻まれたオーストラリアの歴史


私の職場である大学は、GW中のため、すべての授業が休講になっており、とても静かな時間が流れております。

ふと、渡英中のオフィスメイトNobukoさんの書棚に目を向けると、そこに私の興味を引く一冊の本「猫に紅茶を」。

猫に紅茶を―生活に刻まれたオーストラリアの歴史 (阪大リーブル 5) (阪大リーブル 5)

• 作者: 藤川 隆男
• 出版社/メーカー: 大阪大学出版会
• 発売日: 2007/12/21
• メディア: 単行本

2年前まで紅茶の仕事をしていたため、この様なタイトルは魅力的。

さっそく手にとって、パラパラとめくってみました。

項目・・・猫に紅茶を　／　モーニングティーとアフタヌーンティー　／　アイリッシュパブ　ｅｔｃ.

著者：藤川隆男氏はオーストラリア研究、ホワイトネス・スタディーズの研究を行っている先生で、現在大阪大学大学院文学研究科教授。

プロローグは少し固い文体で始まっていますが、中身はとてもわかりやすく、柔らかい文章になっておりました。

歴史を研究している藤川先生が、史実をきちんと踏まえた上で、生活に根ざした事実を９９の項目に分けて説明をして下さっています。

「地球の歩き方」のような、トラベルガイドではありません。

オーストラリアという、英国からの多くの移民を受け入れその文化を取り入れた国が、現在どのような社会になっているのかを、私たち素人にもわかりやすく説いています。

紅茶や食に関する項目以外にも、いくつも気になる内容が盛りだくさん。

「ウールルーに登りますか」

ウールルーは別名エアーズロックとも呼ばれている場所で、世界遺産にも指定されています。

小説、映画「世界の中心で愛をさけぶ」で話題になったウールルーに多くの観光客が訪れるようになりました。しかし、先住民アナングにとってこの岩が大切な聖地であるので、気軽に登るべきではない、と嘆いています。
先住民アナングの心と思いをこの本が代弁し、私たち現代人に伝えています。

オーストラリアへの旅行をこれから計画に入れていらっしゃる方は、この本を読んで出かければ旅がとても深みのあるものになること間違いなしでしょう。

私も15、16年ぶりにオーストラリアを旅してみたくなりました。

コメント 6

お越し下さってありがとうございました〜
エアーズロックもそうですが
神聖な場所って魅力あるだけに近くに行きたい！
でも、地元も方の想いも考えないといけませんね。

気になる記事も沢山！また遊びに寄らせてくださいね☆
by masa (2008-05-02 20:49) 

masaさん
Niceとコメント、ありがとうございます。
世界遺産に登録された場所は、どこの国でもいろいろな問題を抱えているようですね。環境問題、現地の人の心の問題などをきちんと理解し、世界規模で守っていくための取り組みが世界遺産登録と考える必要がありますね。
でも、私もたくさん行ってみたい所ばかりです。
これからもよろしくお願い致します。

by SUMAKO (2008-05-02 21:18) 

初めての海外がオーストラリアでしたので懐かしいです。
20年前です。
by 袋田の住職 (2008-05-02 21:41) 

袋田の住職さま
オーストラリアの大地は広いですね。どのあたりにお出かけになったのでしょう。
海外の空気を吸う経験は、言葉では説明できない思い出がたくさん心に残りますね。

by SUMAKO (2008-05-02 23:21) 

本を読んでいただいてありがとうございます。自分の業績を打ち込むのが邪魔くさくてネットで検索していると、このブログが。気になって覗いてみました。褒められて育つタイプですので、こうしたコメントは励みになります。最近のオーストラリアは、実は物価高で以前ほどはお勧めの観光スポットではないような気もします。
by 藤川隆男 (2008-05-25 15:41) 

藤川先生
コメント、ありがとうございます。
とてもビックリしました。でも、嬉しかったです。
先生のHPも拝見させていただきました。私の知人には、紅茶関係の仕事をしている人が多く、このブログを見て、先生の御著書に興味を持った方もいたようです。
これからまた、私たち素人でも理解しやすい文章で、オーストラリアの歴史のご本を出版していただければ嬉しいです。

by SUMAKO (2008-05-26 00:10)